「シアターギルド代官山」に来場した、東京都公立小学校元校長・全国小学校家庭科教育研究会元会長 藤原孝子さんからのメッセージ


東京都公立小学校元校長・全国小学校家庭科教育研究会元会長  藤原 孝子

「新渡戸の夢」は、大変素晴らしいメッセージ性のある映画だと思いました。

新渡戸稲造は、華々しい名誉や富とは真逆にある、貧しく学ぶ機会に恵まれなかった人々のために、無償で学べる遠友夜学校をつくりました。

実際に遠友夜学校で学んだ人の子供たちが、自分の親の姿を心に刻んで、遠友夜学校の素晴らしさを語っていたのには感動しました。

映画は、新渡戸が創設した遠友夜学校に光をあて、新渡戸の教育へのこころざしを受け継いだ人々が、現在どのように活動しているのか、実際の教室に入り込み、その様子を丁寧にたどっていたのが印象的です。

新渡戸が自身の人生で最も大切にしたことは何だったのでしょうか。

遠友夜学校の校歌は、有島武郎の作詞です。学ぶ意義、学ぶ喜び、生きる意味とは何かという問いに、重要な答えを提示していると受け止めました。それは、正義、善、真心、です。

教育は、単に学問を授けることにとどまってはならない、学ぼうとする者の心の内にある情熱や可能性を引き出すこと、自ら学び成長する力を育むこと、まさに「学ぶことは生きる証」だと教えてくれています。

学ぼうとする人の心に火を付ける先生方に導かれて、嬉々として学ぶ人たちの姿が素晴らしいと思いました。映画に出てくる仲良し3人組の女性たちは、足し算を間違えた仲間に、一緒に足し算の考え方をことばで説明して分かるまで教え合っていました。真剣で、温かい。こういう事が今の学校にはもっともっと必要なのだと思います。

 真の教育とは何かを問いかける「新渡戸の夢」を、知り合いの先生方に大いにお薦めしています。これから教師になる人にも見てほしいと思っています。

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